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✤ 星の王子さま [✤ 読書ノート]

 
フランス語版 の初読は、2009年12月です。
その数十年前に、日本語翻訳本「星の王子さま」も読みました。

星の王子さま (岩波文庫)書籍写真: ペーパーバック

 邦題:星の王子さま
 翻訳: 内藤 濯
 初版:1953 (昭和28) 年

:ハードカバー


対象「小学5・6年から」と、記載されていますので、その頃に読んだのだと思います。が、当時、内容がさっぱり理解できませんでした。作者が何か大切な事を伝えようとしているらしいと、ぼんやり感じる程度 ...

高校生になって世界史を学んでから、もう1度読み直した時には少し理解が進んだ気がしました。が、老齢になってフランス語版を読み、全く理解が足りていなかったことに気づかされました。今では、どうしようもない悲しみに、胸を突かれます。

作者は、戦争を避け、母国フランスからアメリカに亡命しました。にも拘らず、その後に軍に志願して戦争に参加します。その直前に本書を書き、米国での出版を待たずに出発しました。
何故そうしたのか、「遺言」的な要素があると推測されます。

象, ボア (ウワバミ), バオバブの木, 薔薇の花, 火山, 羊, 狐, 毒蛇, 砂漠の花, etc ...
王子様が訪れた6つの星, そして 地球,...
それらの意味するものが分かってきますと、急に「大人の愚かさ」が、不条理への怒りも含み、悲しいと感じるようになります。

子供向けの本であると言いつつも、真に期待された読者は大人であろうと、思います。
作者は、戦いを勝利に導きたくて志願したのではなく、悪質で愚かな戦争の「加害者, 犠牲者」の意味を、読者に真剣に考え、強く感じ取って欲しかったのではないかと思えてきます。

最後の章:
 見知らぬ場所で、羊が薔薇を1輪食べたかどうか ... 王子様を愛している人々にとっては、それだけで、世界が全く違って見えることでしょう。
「羊は薔薇を食べなかった」と信じることができれば、その星に希望の輝きを見出すことができます。

1944年7月31日、作者は、1人乗り偵察機とともに行方不明になりました。そして、2003年、地中海から回収された飛行機の残骸の中に、搭乗した機体番号のものが確認されました。小説の中の「王子さま」と同じく、遺体は発見されていません。


        ★   ★   ★
砂漠が美しいのは、どこかに井戸を隠しているからだよ
本当に美しいところは、目に見えないんだよ
目では何にも見えないよ、心で探さないとね

        ★   ★   ★
沢山持っていて、本当に欲しいものを分からずにいる
仲良くなったら、他の何とも違う、たった1つになる
傍にいなくても、想い、感じることができる

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現在は、複数の翻訳家, 挿絵画家による日本語版があります。

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